2024年11月6日 晴れ。
北九州と京都を拠点に活動する劇団、ブルーエゴナクの公演を楽しみに京都へ向かった。昨年は出会いのきっかけとなった竹野での「ゆきさきは環(めぐ)る」に引き続き、「波間」がとてもとても素晴らしかったもので、今回の件もとても楽しみにしていた。
道中、出石から峠道に入るに従い紅葉がいい具合に進んでおり楽しかった。あと先日長崎往復の旅で、今月利用できるモバイルデータ通信容量をすっかり超えてしまったもので、カーナビアプリを利用せず走ることに。思えば京都へは度々行っているので道は覚えているのに、どうしても癖みたいにカーナビアプリを起動してしまっていた様子。「そもそもインターネットなんて、誰かが何らかの目的で乗っ取ってしまうことが可能なんだから、カーナビアプリの言うことを信じて走っている間に、社会不適合者を収容する強制労働所に案内されてしまっているだなんてこともあり得るで。だから気をつけないと!」など話しながらぐんぐん進んだ。
少し早めに会場付近に到着し駐車。待ち時間、本でも読んで過ごしたかったのに生憎持ってきていなかった。仕方がないのでKindleアプリを起動。生憎、今月利用できるモバイルデータ通信容量をすっかり超えてしまっていたもので、ダウンロードされているものしか読むことができない。「何かダウンロードしてあったっけかなー?」と開いてみれば、なんとなんと「万葉集」一択。
ブルーエゴナク「たしかめようのない」またまたとてつもなくどうかしてた。素晴らしかった。穴迫さんの本、毎度毎度心底感心するけれど、今回のような夢や現実や時間軸みたいなものを普段知覚している3次元的な感覚を超えての表現、大好物です。深く考えさせられるだけでなく、ひとつひとつの言葉やリズムがいちいち良いし、独特のユーモアがやはりツボで。そしてよくこれを演じることができるなぁと、とても晴れた気分で会場を後にした。畏敬の念、天晴(あっぱれ)天晴。そしてなんとなく、たどり着くまでのカーナビアプリの件や万葉集の一件も、どことなく繋がっていたような気がした。
今夜は僕は帰宅し、真弓さんは京都で宿泊し明日は松阪へ向かってライブの予定だった。でも残念ながら観光で賑わう京都で宿を押さえるのは難しく、伏見の力の湯であたたまり車中泊することに。力の湯はとても賑わっており、若い学生さんたちが大きな声で若い会話で盛り上がり….田舎暮らしにすっかり馴染んだ中年男性にはキツい空間だった。そもそも僕は学生の頃から、あの年頃の男たちの話題と声の大きさが苦手というか怖いというかそういう感じだったもので、休み時間はイヤホンを耳に突っ込んでJohn Lee Hookerを聞いて逃げていた。44歳になった今も、びくびく露天風呂のはしっこで縮んで過ごした。
車中泊は随分慣れたもので、食事と晩酌を盛大に楽しみ眠りについた。