みんなもろい。

 2025年1月31日。雨。

 朝から真弓さんの目の具合を診ていただくため、市内の一番大きな病院へ。これもまたしっかり向き合っていかねばな大切なこと。そしてその流れで市役所へ行き必要な書類をいただいたり。思えばほんの少し前まで、病院や役所という場所は恐ろしく近づくのも嫌で入るのも嫌だったけれど、どうやら克服できた様子。組織としてはやはり恐ろしく感じるけれど、そこで対面し話す人は様々で素敵だなぁと感じる人も多い。

 病院での待ち時間、南研子さん著の「アマゾンのふしぎな森へようこそ!」を読破した。熱帯林で暮らす原住民の暮らしが綴られており大変興味深かった。原住民の暮らしの中にも様々な芸術・文化があるけれど「芸術家といいう仕事はない。」というのがとても印象的だった。僕も僅か僅かだけれど、お金の世界から少しでも離れると、芸術家という仕事の不自然さを感じていて色々と思うことがある。そしてお金が通用しない世界の豊かな暮らし。憧れの世界。でもそこに少しづつ侵食してくるお金の世界。そしてお金が通用しない世界を守るためにお金が必要という苦しさ。規模感は全く違うけれど、肌で感じていることが多々書かれており、さてこれからどう暮らしていこうかと。人任せにせず手が届く範囲でだけでも。ね。

 せっかく豊岡へ出てきているんだから(しかも2日連続で)気になる用事は済ませておこうということに。自動車のエンジンオイルとオイルフィルターの交換へ。来週、再来週も何度か長距離移動となるので済ませておいて安心。これで帰ろうかなと思ったところで、ちょうどいい時間帯に豊岡劇場で気になっていた映画が上映されると知り、これも流れだ観ていこうということに。

 FMジャングルのDJ 風子さんに教えていただいた映画「港に灯がともる」。阪神大震災が引き金となっている物語であること、神戸の長田区が舞台になっていたりすることなどなど、引き金も舞台もよく知っているというか当事者でもあるので観たいなと思っていた。ただ、あまり震災の要素が強すぎると耐えられるかどうか少々心配でもあった。

みんなもろい
街も、家族も、
わたしの心も

 このフレーズだけでも、今、必要な映画だった。随所に今必要なことが見つかり有り難かった。色々な方法で必要なことは届けてもらえるんだと再認識した。あと、神戸の街の風景を見てもやはりまだ「懐かしい」とは微塵も感じなかった。でも、長田の黒いおでん!黒いおでん関東炊き!どうして長田のおでんは関東風なのか答えを得ぬまま引っ越してしまったけれど、今すぐ食べたい長田の関東炊き!って思った。長田のKakkoo…で仲間内で集まり、関東炊きをつついたあと延々と演奏するのは楽しかったなぁ。

 暗くなってきた頃、来月の終わりには大阪から竹野に引っ越してくる友から連絡があり、新居に少し荷物を運んできたとのこと。会いに行き本格的な引っ越しの段取りの件などなど話した。面白いのは前回彼が来た時もそうだったけれど、家が早く住んで欲しいらしく….彼が帰ろうとすると鍵まわりで必ずトラブルが起こる。さっと帰らせてもらえない。我が家も2拠点暮らし時代、似たようなことが色々あった。家というのは誠に面白い。

 夕方帰宅し夕食を準備。少しお酒を呑んでふと思い立った。同じく阪神大震災も関係してくる問題で、こんがらがったままだけれど今解決の糸口を掴まねばならないことがある。急いで電話をかけ、ひとつ解け、大きな一歩を得た。よし。