収獲は山の神さん次第なり。

2024年2月16日。天気は曇り。昨日との気温差が激しく冷たい。海は大荒れで見ているだけで恐い。浜に軽トラを停めると揺れるほど波風が強い。

昨日設置した罠に狙い通り鹿が。ただ、ここまでの大物だとは思っていなかったもので、目から入ってくる情報を受け止めるのに時間を要した。立派な4段角の雄鹿で僕より余裕で大きい。80kgはある強くて美しい男前。ものすごい力だし身体能力も非常に高いので本当に恐い。仲間の助けもお借りし怪我なく仕留めることができた。おいしくいただきます。ありがとうございます。
しかしこの冬は食べるものが沢山あったのか、太っているし脂もしっかり。

帰宅して道具を洗ったりしていたら、裏の土手にたくさん蕗の薹が出ていることに気がついたので慌てて採取。

旬のものをきちんと食べる暮らしを続けると、次の季節へ身体がいい具合に整えられるということがよく分かるようになった。こちらがそう意識して暮らすと、きちんと与えてくれるのが自然のシステム。社会のシステムに従うより余程生きやすい。

昼過ぎ、猟仲間の一人、同世代の女性猟師の応援を頼まれ再び山へ。こちらは大きな雌鹿。状況判断で彼女が到着する前に仕留めることに。2頭目の解体も済ませた後、畑に白菜を収穫に。どうも畑にはモグラが出ている様子で、大根が少々やられていた。モグラの食べ残し大根も収穫。

持ち帰った鹿の内臓系の処理や収穫してきた白菜を洗う作業や、使った道具を洗ったり包丁を研いだり….あっという間に日が暮れる。しかし、真弓さんが「今、鹿が獲れても困る!」と思っている間はいくら頑張っても獲れないのに、彼女が「そろそろ鹿のレバーが必要なので獲ってください。」と言うと翌日獲れる。古の猟師は自分の妻を「山の神」と呼び、それが「かみさん」ということばに変化した…と本で読んだことがあるけれど、なるほどなぁと深く思った今日でありました。