火消訓練とヌーピーズの洗礼。

2024年4月21日 雨。

3時帰り且つ猫対応後に寝たため寝不足。ついでに一昨日の草刈りと昨日の運転8時間の肉体的疲労感が抜けておらん。ずっしり身体が重たいが、これはそのうち楽になる。精神的な疲れを感じることがない暮らしというのは、本当にありがたいもの。

消防団の活動服に身を包み、新人の訓練を受けに朝8時に出発。

「軍手持ってきましたか?」 「はい!これですー」
と、農作業などで使っている合成繊維の手袋を出すわたくし。
「あ、白い綿の軍手にしてください」
「あーそうか! 火を使うので、こういう合成繊維のはとけてしまうので危ないんですね!」
「火は使いません! 消すんです!」

新人は5名ということだったけれど、僕以外は欠席。消防団、全くこれまで縁がなかった軍隊的な体育会系の雰囲気で、これは一番苦手なやつだ大丈夫かな…と少々不安になる。不安になるけれど、昨日とこの朝との世界が違いすぎてどんどん面白くなってくる。そもそも僕が大嫌いなはずの制服をきちんと着用しているだなんて!

整列の仕方、気をつけ、休め、右向け右、左向け左、回れ右、敬礼。

号令から拍の取り方が僕だけ異なる様子で、毎回少し遅れる。どうも裏拍で反応してしまうらしい。そんなわけで笑われる。僕も笑う。「右向けー!」と予鈴と共に「軸足は右足のかかとで、左足はつまさきで…」と脳内変換している間に、僕だけ前を向いたまま。笑笑
どうやら僕はとってもゆっくりだ。面白くて仕方がないけれど、有事の際、これではいかんなぁ。

敬礼。敬礼だけはやけに美しいらしく、とても褒められる。若い本職の消防隊員からも「小林さん敬礼美しいです!」と褒められる。つい、「本当ですか!もう一回やってもいいですか!?」とか言ってしまう。

消防ホースの取り扱い、筒の取り扱い方、ホースの伸ばし方、連結の仕方。これは割と得意な気がする。そしてホースの巻き方。どうやら僕はものすごくホースを美しく巻く才能がある様子で感心され、団長に「性格が出るなー」と言われる。若い本職の消防隊員は、「こんなに美しく巻かれたホースは消防署にないですよ。」と言われる。それなれば、僕はホース巻き専門の巻職人になろう!と思った矢先、大半の地区にはホースを巻く機械があると知らされる。産業革命で仕事を奪われた人たち、きっとこんな気持ちだったんだろう。

消防ホースを運ぶ時は、雄口の上から雌口を覆いかぶせると安定して運ぶことができる。不安定に暴れて崩れることがない。と教わる。深い。深過ぎる。

無線の使い方。今時の無線機は小型の携帯電話とスマートフォンを合わせて割ったような形をしており、僕が知っているトランシーバーではない。よってついつい携帯電話みたいに耳に当ててしまい笑われる。口の前に持ってきて声を出せばいいらしい。確かに。トランシーバーだもん。でも体は自動的に耳の横に持っていくよう反応してしまいますドーゾーーー!

一通り受けてみて、この手の仕事では一糸乱れず動く訓練をしておくことが如何に大切か理解した。いざと言う時役に立てるよう、きちんと体で覚えて会得しよう。あと、こういった組織に対する嫌悪感みたいなものがあったけれど、本職の消防隊員の方々の体や姿勢、何より目の光。あの目の光を見ていると、現場で頑張っている人は本当に優秀で心強く感じた。組織や偉い人が腐っていても、現場の志は強いから、世の中大掃除が完了したらとっても良くなるよきっと。

帰路ふと思った。明治からこの西洋の軍隊様式を導入しての訓練となった。スネアドラムの音で乱れぬ動きをできるよう、音楽までの日本の伝統的な音楽の教育を排除し、西洋音楽を強制した。江戸の頃の火消しは、どうな指示系統でどんな風に動いていたんだろう。知りたい。これからはあらゆる方面、江戸的なアイデアが必要になってくると思うんだな。


夕方から、2月に出演したイベント”This is HIGH⚡︎GAIN”の続きを楽しみに、豊岡のブラックパールへ。

超満員で大いに賑わっていた。10年程前まであった但馬の音楽シーン、地元の色々なバンドが切磋琢磨しており楽しかったんだろうなぁ。今回も本当に音がいい。楽器の音色がとにかくいい。グルーヴ感もすごくいい。

やっと生で体験できた豊岡のヌーピーズ。一緒になったことはないけれど、阪神間にも頻繁に出て頑張ってらっしゃる。そこらにはない世界観、音が印象的だった。面白かったなぁ。このイベントのトリがヌーピーズになったこと、これは大きな意味があるように感じた。但馬音楽シーン、そこらにはないもの作っていきたいねー